1
1189 文字
6 分
アニメ業界で働いていたのはなぜ
2025-06-10

今回のテーマは、かつて取り組んでいたアニメの編集についてです。辞めてから数年が経ち、当時の記憶も徐々にあやふやになってきたため、「なぜ始めたのか」を備忘録的に書き留めておこうと思います。

アニメとの出会い#

私がアニメと出会ったのは、中学1年生の時でした。コロナ禍ということもあり、やることがなくPrime Videoを漁っていたところ、ランキング上位にあったTVアニメを見つけ、なんとなく視聴してみました。

それが非常に面白く、次第に実写作品よりもアニメ作品を好んで観るようになっていきました。

少し話は逸れますが、中学2年の春、私は人生で初めての「仕事」を受けました。登録者100万人規模のYouTuberの動画編集を担当させていただいたのです。報酬は決して高くはありませんでしたが、当時独学で学んでいた編集スキルでお金をいただけたことが純粋に嬉しく、自信にもつながりました。

編集した動画がYouTubeにアップされると、あっという間に数十万回再生され、コメント欄には多くのポジティブな言葉が並んでいました。もちろん人気YouTuberの力あってのことですが、自分の手がけたものが多くの人に届いている実感があり、とてもやりがいを感じたのを覚えています。

転機#

その成功体験から、その後もしばらくは個人で動画編集の仕事を続けていたのですが、ある時『かがみの孤城』というアニメーション映画を観ました。

これまで観てきた作品とはまったく異なり、「アニメでしかできない表現」や「息を呑むような背景美術」に心を奪われました。特に印象的だったのはエンドロールです。それまであまり注目していなかったのですが、作品の余韻の中で自然と見入ってしまい、そこに並ぶ多くのスタッフの名前を見たとき、直感的に「いつか自分もここに名前を刻みたい」と思いました。

アニメ業界での経験#

そこから先は、大人の事情もあり詳しく書けませんが、最終的にご縁があり大手アニメ制作会社にジョインし、「編集室マネジメント」として、あるアニメ作品のプロジェクトに関わることになりました。

その1年間は、本当に幸せな時間でした。正直なところ、かなりハードな現場ではありましたが、「エンドロールに自分の名前を載せる」という目標があったため、苦に感じることはありませんでした。

そして、いよいよ自分の名前がエンドロールに載った瞬間——「もう死んでもいい」と思えるほどの達成感がありました。

死にはしませんでしたが、その満足感で私はアニメ業界での仕事にいったん区切りをつけました。その後、いろいろなご縁から、プログラミング動画学習サイト「ドットインストール」様に学生スタッフとしてお世話になることになりました。

当初はこれまでの動画編集スキルを活かそうと考えていたのですが、実際にはプログラミングに関する業務を多く経験させていただき、気がつけば「プログラミングで起業したい」と考えるようになっていました。

現在#

結果的には本当にプログラミングで起業し、動画編集とは無縁のお仕事で忙しい日々です。

現在、アニメとの関わりは「趣味」という形に落ち着いています。 ただ、高校1年生の時に出会ったアニメ関連企業の経営者の方に強く憧れ、今もその方のような人生を歩みたいと考えています。それはまさに私の人生のロードマップになっており、そういった意味ではアニメは今でも人生の中で重要な立ち位置です。


少し長くなってしまいました。意外と筆がのりますね。 気が向けば、次回この続きを書いてみようと思います。

アニメ業界で働いていたのはなぜ
作者
油谷駿杜
公開日
2025-06-10
ライセンス
CC BY-NC-SA 4.0